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98%枯れているマツの治療を行なって思うこと

 2016-04-20
昨日、仙台市の沿岸部、荒浜地区にて、1本の大きなクロマツの樹木治療をしてきました。

昨年、秋に最初に連絡をもらい、見に行きました。
このときは木の周辺でいろいろと工事をしていて、何かをできる状況ではなかったので、工事が終わってから方法を考えましょうということになりました。
当初はその工事が11月中に終わる予定だったのですが、結局終わったのは、今年の2月。
そして、3月にこの木を久しぶりに見に行きました。
クロマツ樹木治療

3月にその木を見た時の私の第一印象は「98%枯れている」でした。
さすがに私もこの木についてどうすればいいか困りましたが、
依頼主の「ぜひ!この木を助けてください!」という言葉で決心しました。

今回の治療方法は、
菌根菌資材を使い、おそらくほとんどの根は枯れていると思われるので、ごくわずかに残った根に効率的に水、養分を吸い上げてもらうための水・養分の吸収効率が高まる菌根を形成させるお手伝いをする方法です。
この方法で樹勢回復にのぞみます。

さらに、今回、初めての試みだったのですが、樹木治療の依頼主と一緒に木の治療を行う
「みんなで一緒に木を直そう!」(仮称)サービス
の形態で行いました。

治療に先立ち、まずはしっかりと樹木診断調査を実施し、樹木医として治療方針案を提案します。
その後、実際の樹木治療へは、私は身1つで治療現場に赴き、現場にて知識を提供しつつ、治療方針に基づいて作業を進めてもらえるようにすることが役割となります。
一方で、依頼主は、必要な資材・器材は全て手配してもらい、事前準備を整えてもらうことお願いします。
(もちろん、依頼主側で手配できないものは私が対応します)
依頼主としてのメリットは、樹木治療費用が安く抑えられることです。
以前から、このサービスをずっと温めてきていたのですが、今回初めてこのサービスにて治療を行なうことになりました。

今回の樹勢回復作業では、
菌根菌資材「エコバイオティクス根健 マツ用」(松本微生物研究所)を使用しました。

さて、今回のマツの治療作業は難航しました。
実際に樹木治療の現場で、マツの根元をどんどん掘っていったのですが、
太い立派な根はたくさんあるものの、全て死んでいました。
「いったいどこに生きた根があるのだろうか?」
生きた根がなければ、私としても治療のしようがないとかなり焦りました。
クロマツ樹木治療 クロマツ樹木治療 クロマツ樹木治療

一般的に、木は弱ると、幹から遠い部分からどんどん根が枯れていきます。
そして本当に瀕死の木は幹から直接最後の力を振りしぼって、細い根を出します。
今回もそうでした。
樹高20m、幹直径が50cmもあるような立派なマツの木でしたが、幹から直接わずかな細い根を出していました。
98%、いやもしくは99%は枯れているが、必死に生きようとしている姿でした。

なんとか生きている根を見つけ、菌根菌資材を投入しました。
この資材により、この弱々しい細い根が、元気などんどん水・養分を吸収する根に生まれ変わることを待つのみです。
予定していた治療は無事に終えました。
あとは人間と同じですが、木の生きようとする力頼みとなります。
人間として、樹木医としてできることはここまでです。
あとは祈るだけです。

今回の治療では3人の方と一緒に作業をしたのですが、治療が終わった後、皆さんが今後この木のために何をすればいいのか?と真剣に質問してきてくれました。
これは「みんなで一緒に木を直そう!」(仮称)サービスを考えてた狙い通りでした。
「ぜひ木を大切に思ってもらう」ということのために考え出したサービスです。
この木と彼らの間に新たな思い出ができた瞬間です。

この仕事をしていて思うのですが、
「何とかしてほしい!」と依頼のある木は、依頼主にとって思い出とともにある木々です。
このサービスが目指していることでもあるのですが、
木とともにある思い出をよりたくさん作ってもらうことによって、木を大切にしてほしいなと思います。

これからも思い出とともにある木を植え、育て、守っていく形で仕事を進めていきたいなと改めて思った1日でした。



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